ガーデンリブロは栃木県宇都宮市を中心にお庭・外構・エクステリアを設計・施工・リフォームするガーデニング工房です。

落葉樹か常緑樹か?

落葉樹か常緑樹か?

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今日の宇都宮はほんとにすがすがしい一日でしたね。

こんな天気ですと作業もはかどり、外の仕事の楽しさ倍増です。

今日、お客様から台風の後は木の葉が落ちて掃除が大変&お隣さんに迷惑をかけていそうという話しを聞きました。この手の話しは初めてではないのですが、このところ常緑樹が流行っているのは単に落葉を掃除しなくて良いというメンテナンスの面だけではなく、お隣さんへの迷惑という部分がけっこうあるのではないかと思いました。

植栽で好まれる樹木も流行りすたりがありまして、大まかには

①昔ながらの1本立ちの木が高級品とされていた。
 玉造の木が多くて、いわゆる造園屋さんの職人さんが管理していた時代です。

②職人さんに管理してもらうのが大変で(金銭的にも)、自然樹形のきれいな木が好まれるようになった。
 シャラやエゴノキなどがお庭に使われるようになったのがこの時代です。

③たくさんの木を管理するのが大変なので(これまた金銭的にも)、一つの株元からたくさん幹が出ている株立ちの木が流行りだした。株立ちのシャラやアオダモなんかが代表的ですね。

④株立ちの中でも常緑のシマトネリコやソヨゴに人気が集中。2・3年前までこの状態でした。

・シマトネリコは常緑の中でも葉がやわらかい雰囲気です
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⑤今はなんと言っても常緑が人気で、洋風のお庭に合うオリーブが人気。 ホームセンターでも扱いが増えてきました。

僕の感覚的な植栽(特に樹木に関して)の流行は、こんな感じの変遷をたどっている気がします。

では、今後はどうなるかというと、おそらく③あたりに戻る気がします。

⑤が流行っている理由はよく分かります。
昨今のお庭の流行りはやはり洋風なものが中心ですし、いわゆる南仏風(プロヴァンス風)と呼ばれるスタイルが一番多いです。実際、南仏のお庭ではオリーブとラベンダーの組合せが多いようですし、今年のチェルシーフラワーショーでも南仏風のお庭は、オリーブ&ラベンダーの組合せでしたね。
オリーブの樹齢は数百年もののように見えましたが。

ですので、⑤が流行るのは当然ですし、きちんとホワイトレンガなどとあわせれば本当に居心地の良い庭になりますので、流行りすたりに関係なくこのスタイルは残ると思います。

・ホワイトレンガとオリーブ&ラベンダー
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では、なぜ③に戻ると考えているかというと、これが本来の日本のお庭のスタイルに近いからです。

正確に言うと、②~④を混ぜた形になると思います。

②~④に当てはまる木は、基本的に自然の野山にある樹木です。日本の景観に合わない訳がありません。
たとえ洋風の家にでもシャラやエゴノキは合いますし、常緑のシマトネリコやソヨゴも合います。
株立ちの木ばかりでなく、1本立のコナラなんかがあればさらに自然を身近に感じられるでしょう。
どんぐりも拾えますし。

タイトルにも書きましたが、常緑であることや落葉であること・株立ちであることや1本立ちであることなど2者択一で樹木を選ぶ傾向が強いこのごろですが、そういうことにとらわれず家の外観や街並みにあった樹木を選んでいただければ、景観も街並み全体もきれいになるのではないかと思います。

最近では節電の話題も尽きませんし、今後はもっと家庭の緑の効用についてみんなが気がついてくる時代がくると思います。みんなの意識が高まれば、落葉一つで文句を言う方も少なくなるでしょうし、みんなが緑を増やせば”お互い様”になるわけですね。

それに落葉樹の葉は基本的に薄いので、一冬越せば土に戻ります。

常緑にこだわるあまり、本来の樹木の効用である安らぎであるとか四季を感じさせてくれるとかいう大切なものを忘れていないか、いつも自分に言い聞かせています。

・コハウチワカエデは新緑も紅葉もきれいで四季を感じさせてくれます。
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