ガーデンリブロは栃木県宇都宮市を中心にお庭・外構・エクステリアを設計・施工・リフォームするガーデニング工房です。

枕木は腐る?

枕木は腐る?

ブログ

先日、外構工事の施工を手伝ってもらっている会社さんから相談がありました。

「枕木を処分したいんだけど、どこか安く処分できるところはない?」とのことでした。

聞いてみると、4トンもの枕木を撤去して安いところでも12万円ほど処分費がかかるので困っているとのことでした。
宇都宮市の焼却場で木材(角材や合板など)で1キログラムあたり25円程度だった記憶がありますので、枕木のように太い木材でキログラムあたり30円は安いのでは?とお答えしました。
(おそらく市や町の焼却場では枕木は受け付けてくれません)

で、よくよく聞いてみると、その施工会社さんのお付き合いのある外構専門店で施工したお宅の枕木が腐ってしまい、撤去を頼まれたということでした。

まぁ、同業者の行った施工で枕木が腐ったというブログをアップするのもいかがなものかと思いましたが、それよりも正しい情報をお客さんに共有してもらうことのほうが大切ですので、思い切って記事にしました。

あくまでも当社の施工したお庭のことでもなければ、その施工業者さんが以前手がけたお庭でもありませんので、お間違いなきよう、お願いします。

まずは、写真。
R0011469

これで、撤去した枕木の半分強です。

で、アップしてみると。
R0011471

こんな感じです。

枕木の使用状況ですが、写真をみてもお分かりのとおり、芝生の中に敷き詰められた状態だったようです。
芝生・枕木・芝生・枕木・芝生・・・・・・
のように使われていたようで、腐り始めた枕木に芝の植生が始まっています。

反対側はすでにこんな状態。
R0011473

完全に朽ちていますね。

もう一つのアップ写真。
R0011480

この写真をみると、おおよその腐った原因が分かります。

まず、枕木は本物の枕木です。
割れ防止の鉄輪が入っていることから、国産の枕木であることがわかります。

実際、写真を撮っているときもクレオソート(防腐剤)特有のにおいがしましたので、ホームセンターで売っている粗悪品ではありません。

では、なぜ腐ってしまったのか?ということですが・・・

ここからは私の独断ですので正しいとは言い切れませんが。
(保証もできません!

①土との接地面積が多すぎた

先ほどの状況説明のとおり、枕木が芝にサンドイッチされている状態ですので、枕木の6面中、5面が地面に接していることになります。きちんと枕木の下側が排水処理されていれば問題ありませんが、していなければ常に枕木は湿った状態になりますので、さすがに腐ります。
(鉄道の枕木は砕石の上に乗っている状態ですので、常に水から隔離されている状態です。)

②国産の枕木であった

これはオーストラリアなどの海外の枕木ならば大丈夫か?というと、そうとも言い切れないのですが、アップ3枚目の写真をみると、真ん中がくり貫かれたように腐っています。
国産の枕木はケンパスが主な材料です。このケンパスにクレオソートという防腐剤をたっぷり塗りこむわけですが、やはり中心部までは浸透しないこともあるのでしょう。
ですので、中心部から腐ってしまうのではないかと思われます。
一方のレッドガムやアイアンバーグを材料とした枕木は、もともと腐りにくい木なので防腐剤処理もしていません。しかし、このお宅のような厳しい環境下では、やはり腐ってしまうかもしれません。
あと、中国産の枕木も売っているようですが、シロアリがでたという話を聞いたことがあるため、私は使用したことがありませんので、詳しく知りません。

※追記

国産枕木が輸入枕木に比べて腐りやすいかというと、そんなことはありません。
ケンパスという木材も重硬で、薬剤がしみこみやすい木です。
JR(旧国鉄)が採用したのは、それなりの理由があるからです。

③防水処理・排水処理をしなかった

枕木はカットして使うこともありますので、切り口はクレオソートなど防腐剤を塗らないとあっという間に腐ってしまいます。
排水処理は、枕木の下地に川砂や砕石を敷くことで(行わないよりは)だいぶ違いが出ます。
石や砂は排水性に優れるため、地面が乾くよりも早く水を逃がします。
これだけで枕木の腐食を相当防げるはずです。

他にも対策はあります。
同じように枕木を横に敷くのでも、砂利舗装の中に敷けば水はけは良いです(前回のブログの写真ですね)。

また、この枕木が腐ってしまったお宅でも、建て込んである枕木は腐ってなかったそうです。

実は自宅のお庭工事を再開したのですが、私は国産枕木のほうが雰囲気が良くて好きなため、使用する予定ですので、今回の相談があった際、かなりあせりました。

腐っちゃうのかな?・・・・・・と。

よくよく聞いてみれば腐っても仕方がない使用方法でしたし、当時(13年ほど前の施工だそうです)は枕木がどの程度腐りやすいのか分からなかったのかもしれません。

私も枕木は好きな素材ですので、簡単に腐ってしまうと、ほんとこの後大変です。

正しい知識と、正しい施工で長持ちするお庭をつくりたいものですね。

(長文、お読みいただきありがとうございました。